製薬会社の臨床開発業務

製薬会社の臨床開発業務

外資系製薬会社を中心として近年、医師を開発業務の中心に据える会社が増えています。理由として医師は領域の専門性を持ち、臨床試験の立案・遂行に必要な知識を持っていることがあげられますが、何よりも薬剤がどのように現場で使用されており、どのような部分がまだ患者さんにとって満たされていないのかを肌で理解していることが重要な部分です。最近私の経験した開発業務の一例をご紹介します。

ある分子標的抗がん剤の開発に携わりましたが、この薬剤は既に海外では第III 相(人対象の比較試験)が開始されようとしている段階でしたが、日本ではまだ第I 相が終了していない状態でした。通常ですと日本独自に第II 相を行い、第III 相を外挿(海外データを利用すること)するのですが、対象疾患が希少であり、海外試験に参加することでより意義のある薬剤の解析ができると考えられました。そこで開発チームで、既存のデータを日本、海外で比較して解析し、第I 相のデータのみを持って海外試験に参加するプランを立てました。結果は当局に認められましたが、その際に鍵となったのが、疾患が重篤であり、いかに本薬剤の特性が現場で求められているのか、データに基づいて理論構築できたことでした。このようなプランの作成、当局との交渉に、開発医師は中心的な役割を果たします。

このほか、業務としては、会社の持つ製剤候補(ポートフォリオ)の評価、優先順位づけ、開発立案、臨床試験のデザイン、実施、データ評価、申請文書作成、当局対応、またセールス、マーケティングサポートなど、製薬に関わるあらゆる部署と関わります。その分、専門性もさることながら、あたらしいことを柔軟に吸収しながらリーダーシップを発揮してものごとを進めていける人材が求められています。 

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